遺伝子組み換え作物(読み)いでんしくみかえさくもつ(その他表記)genetically modified crop (GM crop)

共同通信ニュース用語解説 「遺伝子組み換え作物」の解説

遺伝子組み換え作物

ほか生物から取り出した遺伝子をバイオ技術で組み込み、「特定除草剤に枯れない」「食べた害虫が餓死する」などの新たな特性を持たせた作物。主要な作物は大豆トウモロコシ、綿、菜種で、世界の栽培面積は1億9170万ヘクタール(2018年時点)。米国内では遺伝子組み換えのトウモロコシや大豆の栽培率がそれぞれ9割を超えており、日本は飼料用や食用油甘味料原料として大量に輸入している。

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知恵蔵 「遺伝子組み換え作物」の解説

遺伝子組み換え作物

植物細胞に外来遺伝子を導入したトランスジェニック植物のうち、作物として利用されているもの。まず作物に付与したいと考える特徴(例えば除草剤耐性や害虫抵抗性など)を生み出す遺伝子DNAを自然界から探し出すか、化学合成する。目的の遺伝子DNAが得られれば、組み換えDNA技術を用いて、組み換えDNA分子を作製し、作物の細胞に入れ、その細胞を培養し、植物体に成長させる。さらに交配などにより、遺伝的に安定にした新品種(=遺伝子組み換え作物)を得る。遺伝子組み換え作物では、様々な安全性試験が行われ、環境に対してや、飼料や食品としての安全性が確認されたのちに、実用化される。2006年7月現在、厚生労働省による安全性審査が終了した遺伝子組み換え作物は58品種。

(川口啓明 科学ジャーナリスト / 菊地昌子 科学ジャーナリスト / 2007年)

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